雷霆は友の為に轟く ◆902rpagnPI

この殺人ゲームが開始してから間もない頃。
島の北東に位置する城に、金髪の少年――TBは居た。

石造りの陰気な城内にどこか懐かしさを感じつつ、
最上階のテラスに立つと島の風景を一望できた。
島の半分以上を占める森林地帯、そしてその中に聳え立つ二つの塔。
これからどのくらいの人々がこの島で争い、命を落とすのだろう。
もしかすると、今この瞬間にも誰かの命が奪われているのかもしれない。

”最後の一人になるまで殺し合いをする”
残酷にも、このゲームの参加者に真羽マサルも選ばれてしまっている。
見ず知らずの人間(ではない者も多いが)ばかりで、
参加者の全てが敵でもあるこの状況下では油断は禁物。
しかし、直情径行な彼の事だ。
このゲームでもいつものように後先考えずに行動し、自ら危険な目に遭いかねない。
自分が死ぬのも嫌だが、友達を失くすのはもっと嫌だ。

天を仰げば、視界に入るのは広く晴れ渡った空。
いつも見ていたものと何ら変わりの無いその空を見据えたまま、
深く深呼吸をすると少し気持ちが落ち着いた。
覚悟は決まった。

支給品の拳銃を腰に携えると、ゆっくりと踵を返す。
向かうは大切な友の元。
ギアのプロテストでマサルと出会っていなければ自分は今この瞬間にも、
恐怖に震えてばかりいただろう。
自分を助け、そして大きく変えてくれた大切な仲間。
無事に合流できたところでその後どうなるのかはわからないが、
歪んだゲームの犠牲者になる前に一刻も早く探し出さなければ。

(マサルくん…どうか無事でいて)


【B-06【B-06 城内(城外へ移動中)】
【TB@クラッシュギアNitro】
[状態]健康
[装備]ニューナンブM60
 (回転式拳銃/38口径/作動方式:シングルアクション/残り5発、20発分の予備有り)
※護身用の拳銃なので、一発にさほどの威力は有りません。
 (当たり所が悪かったり、よほどの近距離で撃たない限りは一発で仕留められないと思われます)
※弾は一つ一つ手動で込めなければならないため、装填に少し時間がかかります。
※装填できる弾の最大は5発までです。  
[道具]武器以外の支給品一式
[思考]1.マサルと合流
 2. 無駄な争いは避けたいが自分とマサルに危害を加える者とは戦いも辞さない


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